糸によるリフトアップはより自然かつ確かな変化へ進化
かつてはタルミが気になる場合には耳の前~コメカミ、場合によっては耳の後ろからうなじまでにかけて切開して皮膚を引き上げるフェイスリフト手術が盛んに行われてきました。私自身もフェイスリフト手術はよく行っておりましたが、近年では糸によるリフトアップの仕上がりのクオリティが向上したことも大きく影響して、切開によるリフトアップの件数は激減しました。一方で、糸によるリフトアップの件数は当院でも増加傾向の一途をたどり続けています。
リフトアップ用の糸は様々な種類の製品が登場してきました。現在では溶ける糸が完全に主流となり、私の場合でも溶けない糸を用いることはありません。その溶ける糸も周辺のコラーゲン造成をよりしっかりと長期間にわたって引き起こし、なおかつ糸の質感がしなやかで馴染みやすいPCL製(ポリカプロラクトン)の糸を好んで用いております。
私の場合、糸によって「つり上げる」というイメージとは異なり、最終的にご自身により生成されるコラーゲンの支えをどのように加えていくかというイメージでデザインして治療を行っております。そのため、直後の仕上がりももちろんですが、再び元の状態に戻りにくいような長期的なタルミ予防効果もしっかりと感じて頂くことができます。
進化した糸の特徴を最大限に生かして、お一人お一人のお悩みを正確に把握した上でデザインを行い、治療を行って参ります。気になる部分がよりしっかりと変化させやすいことに加え、即効性に優れている点が人気の理由です。数種類の糸を的確に選択して自然かつしっかりとした変化となるように入れていきます。
かつてのスレッドリフトのなかには、しばらく思うように口が開けられなくなったり、こめかみ部分に強い痛みが長期間続いてしまったりする手法のものも存在しました。現在ではそのようなこともなくなり、より負担は少なくなっています。当院では念のため治療当日のその後のご予定を入れないで頂くようにしておりますが、翌日は通常通りにお仕事等に問題なく行ってらっしゃることがほとんどです。
直後はやや突っ張るような感覚をご自身は感じることが多いですが、日を追うごとに消えていき、5日~1週間以内に違和感もなくなり馴染んで参ります。