頬や目の周り、コメカミなどにボヤッと暗くくすんだエリアが出現することがあります。美容皮膚科には「くすみ」治療を希望して受診される方が多い症状ですが、肝斑(かんぱん)という特殊なシミの一種であることがあります。
私たち美容皮膚科医はメイクを落として頂いた状態でしっかりと診察させていただくと、肝斑であるかどうかはすぐに診断することができます。肝斑は通常のシミとは治療法や日頃の肌の扱い方が大きく変わってきますので、正確な診断がまずは最も大切です。
また、肝斑と言ってもいくつかのパターンがあることが経験上わかっています。それぞれパターンによって肝斑治療のメニューも最適なものが変わってきます。
長年肝斑治療を続けてきたけれども一向に良くならなかったという方も多いこの症状。肝斑のタイプに合わせた的確な治療メニューをご提案してまいります。
近年の研究では肝斑の症状がある部分では、真皮深部~基底膜周辺のもろさが色素が抜けにくいの原因となっているケースがあると指摘されはじめました。当院では数年前からこの基底膜強化に着目した肝斑治療を実践してまいりました。適応があると思われる難治性肝斑の方やなるべく早く結果を出したい方には基底膜の強化も含めた新たなアプローチもご提案していきます。
肝斑は日頃の肌の扱い方によっては悪化の要因となっているケースが多く見受けられます。普段の生活状況をお伺いしながら、改善すべきポイントをあぶり出し、対処法をアドバイスさせていただきます。
飲み薬に抵抗のない方には、トラネキサム酸、ビタミンC、ビタミンEなどの有効な成分を適切なタイミングで適量を飲んで頂きます
ピコレーザーを使用したピコトーニングがすべての肝斑においてベストというわけではありません。肝斑の状態やパターンを見極めて最適なものを選択することが大切です。
ダーマペン4を代表とするマイクロニードリング治療は適切な方法で行う限り、肝斑の治療効果を高めることが海外の論文でも数多く発表されております。当院でもダーマペン4指導医の院長の橋本が肝斑に対して多くの方に治療を受けて頂き、良い結果が得られています。内服や塗り薬、レーザートーニングなどで改善が難しいな重度の肝斑の方は、基底膜強化を狙ったシルファームやダーマペン4による治療を組み合わせることをお勧めします。