ニキビあと(にきびあと)と言えば、かつてのニキビが治った後に残ってしまった 『あと』 のことを意味します。大きく分類すると以下の3つに分けられます。
ニキビは皮脂腺内部のアクネ菌などの原因菌の異常増殖による炎症(赤ニキビ)です。皮膚が炎症を起こした後は少なからずその後に必ず色素沈着を起こしますが、炎症がきっかけですので『炎症後色素沈着』と呼ばれ、通常のシミとは区別されます。
また、②のように赤ニキビの腫れが落ち着いて平らになった後も、炎症の際の赤みが何ヶ月たっても落ち着かないことがあります。
これらの①や②は基本的には長期間経過を追っていくだけでも自然に消失していくこともある症状です。一刻も早く綺麗にしたい場合には様々な治療を的確に加えていきます。
それと比較して、いわゆるクレーター状のニキビ痕は③のように強くこじれた炎症がきっかけとなって皮膚に強いダメージが加わり、瘢痕治癒(はんこんちゆ)と呼ばれる生涯残る引き連れた傷あとが皮膚深くまで残っている状態といえます。
クレーター状のニキビ痕はその原因は基本的には深い傷が傷あとが生涯残るのと同様に、一生モノの痕となってしまいます。
そのため、定期的に赤いニキビができてくるような状態であれば、その原因である皮脂腺出口付近の詰まり(コメド、白ニキビ)を解消する何らかの手段を講じて行く必要があります。さらに、赤ニキビの炎症は絶対にこじらせて膿がたまってしまうほどの強い炎症に悪化させず、瘢痕にさせないことが大切です。
クレーター状のニキビ痕に関してはこの後にお話するように、かなり治療により目立ちにくくできるようになってまいりましたが、1回で消えてしまうようなものではなく根気のいる作業であることには変わりありません。1つでも増やさないようにすることは最も大切です。
しかしながら、あらゆる治療を精一杯行っても出てくるニキビを抑えることができずに、クレーター状ニキビ痕が積み重なるように増えていってしまった方は多くいらっしゃいます。
私のところにも長年様々な治療を行ったけれども一向にニキビ痕が良くならなかったという方々から、連日のように多くのご相談のメールを頂戴しております。中には自殺も考えたなどとても思い悩んでいる方も多く、なんとかしてあげたいという強い気持ちを常に持っています。
現状では日本国内でこのようなクレーター状ニキビ痕の症状の治療目的で皮膚科または美容皮膚科を訪れた場合、レーザー治療を行っていないクリニックであれば各種ピーリング治療やレチノール系の外用などが選択肢として勧められることが多いかもしれません。
レーザー治療を行っているクリニックであれば、ほとんどのケースでフラクショナルレーザーを勧められると思います。私も様々な種類のフラクショナルレーザーを使い倒して、何としてでも結果を出したいといろいろと試行錯誤を繰り返してきました。日本を代表する大手クリニック様には、「使用しているフラクショナルレーザーの満足度を高めたい」と看護師照射用のプロトコール作成の依頼を受けて作成したこともありました。
しかし、結論から言えば今現在では私はニキビ痕に対してフラクショナルレーザーを用いることはまずありません。(↓過去記事をご覧ください)
クレーター状のニキビ痕は皮膚の真皮だけでなく、瘢痕という堅い組織により皮下組織まで強い引きつれを起こしています。ケミカルピーリングのような治療を行えば最も表層の角層は整えられますので、非常に浅いニキビ痕に関しては直後もしくは数日間はよくなったように感じられることもあるかもしれませんが、皮膚の生まれ変わり(ターンオーバー)が進むにつれてすぐに元に戻ってしまいます。
真皮中間から皮下組織にかけての強い引きつれを起こしている瘢痕組織を正常組織に近づけていくためには、より深部までしっかりと作用する治療をする必要があります。
ディープピーリング剤やエルビウムヤグレーザーやCO2などによるアブレーション(面で削り取る)、フラクショナルレーザーなどを使用して深部の瘢痕組織の再生を狙った場合、深めの部分まで到達するためにはアグレッシブに行く必要があります。
そこで必ず問題となるのは非常に長いダウンタイムとその後に生じる色素沈着や慢性炎症、瘢痕形成です。
つまり肌への負担は非常に激しいものとなるため、強い赤みが1~2週間ほど続く場合もあり長いダウンタイムとなるばかりでなく、その赤みが数ヶ月もの長期間持続してしまったり(慢性炎症)、逆に固く白っぽいテカテカとした瘢痕組織を表面に増やしてしまうこともリスクとしてあります。
特に我々アジア人は白人では問題とならない炎症後色素沈着が生じやすく、場合によってはケロイド化の懸念もあるため、結果を出すためにアグレッシブに行きたいが、ダウンタイムの長さと副作用が足かせとなり控えめに行ったり治療頻度を落とす必要がでてきます。
このような理由で効果を重視した治療ができないことが、レーザー等で結果を思うように出すことが難しい理由となっています。
クレーター状のニキビ痕をなんとかして効率よく、そしていかに患者様の負担が少なく治療したい。常に試行錯誤を繰り返してきました。
そこでたどり着いた答えがマイクロニードリングです。針を皮膚に細かく刺していくことにより、針穴が修復される力を利用して皮膚の再生を図るという15年以上前から行われている治療法です。
ダーマローラーというデバイスから始まったこの治療は、より負担の少なく効率的に変化がでるようにこの15年間大きな進化を遂げてきた分野です。その最先端のマシンが「ダーマペン4」として2年前に世界的にリリースされ、大きな反響を世界中で及ぼしました。
日本導入にあたり、ダーマペン4開発元のダーマペンワールド社(オーストラリア)から日本人で唯一のダーマペン4技術指導医に任命されましたのでオーストラリア現地に技術と理論を開発者から直々に深く教わることができ、日本人向けにアレンジしたメニューで日本国内に紹介することができました。
日本でもダーマペン4はその後大流行していますが、ニキビ痕治療においてはこれまでのあらゆる治療を凌ぐ素晴らしい結果を出すことが可能です。
(前述のようにクレーター状のニキビ痕の改善にはダーマペン4の治療も通常とは違いかなりアグレッシブな特殊な手技が必要となりますので、必ず医師施術を講演会でもお願いしています。不適切な手技により瘢痕が逆に残ってしまった例などのお問い合わせが後を絶たないためです。)
ダーマペン4によるニキビ痕治療の場合、これまでのレーザー等の治療と比べると多くのメリットがあります
たとえばフラクショナルレーザーは4~5回を必ず繰り返す必要があります。肌全体の入れ替えにはそれだけの回数が必要であるためで、逆に考えると4~5回でようやく1回の治療が完了したとも言えます。
ダーマペン4を使用してニキビ痕治療を行う場合、特殊な施術方法で行いますが1度で治療は完結しますので、毎回大きな結果を感じる方が非常に多くなります。1ヶ月以上あけて繰り返していきますが、毎回階段を登るようによくなっていくのがわかります。このように、各種フラクショナルレーザーとダーマペン4による治療には大きな治療効率の差があります。
さらに、レーザーでは炎症後色素沈着がアグレッシブな照射ではほぼ必発で治療継続断念の大きな理由の一つともなりますが、ダーマペン4は適切な処置方法で行う限り、色素沈着は逆に抜けていきます。実際に顔全体が明るくなった実感が得られることも多くなります。
当院ではすべてのお客様に対しまして、ダーマペン4の治療を院長の私が施術を行っております。3000例近い症例を経験する中で、あらゆるニキビ痕のパターンも経験し、それぞれに対する最適な施術方法もほぼ確立されてきました。
まだまだ完成度を上げるべく、試行錯誤は今後も続けて参りますが、実際に非常に高い満足度を頂く治療として安定してきました。
そこで2021年1月末に、twitter上で治療経過をリアルタイムに連日報告して頂けるモニター様を5名に絞り募集を行いました。非常に多くの方からご応募いただきましたが、特に症状のひどい方を選出しまして治療を開始しています。
リアルタイムで感じたままを自由に投稿していただくように5名の方にはお願いしておりますので、クリニック側が操作できない、真実の情報がそのまま得られます。
当選されたモニター様のアカウントは次の5名様です。詳細に投稿していただいておりますので、治療効果の発現時期やダウンタイムの見え方や期間など、治療をご検討中の方にはとても参考になると思います。2021年2月頃から治療を開始しておりますので、当時の投稿からぜひご覧ください。
当選された方のアカウント