院長コラム

治療結果を左右する『職人気質』2020.12.21

美容師やネイリスト、エステティシャンや整体師など、自分の手を動かしてお客様に技術を提供する職種は担当する技術者によってその結果が大きく変わってきます。

皆様の中にも「お気に入りの美容師が見つかるまでは苦労した」なんてご経験がある方も多いのではないでしょうか。

医療の世界でも外科系の医者や歯科医はまさに自分の手を動かして患者様に技術を提供する「技術者」ですので、その担当医の技量によって結果も大きく変わってきます。

一流の技術者に求められるものとは

基礎となる知識を十分に身につけ、技術的なトレーニングを受けることは技術者のスタートとしてはもちろん大切です。そして、より多くの実践経験を積み、その技術をさらに高めて「一流」を目指していく段階に移行します。そこまでは余程のことが無い限り、ある程度の修行期間があればほとんどの人が到達する領域だと思います。

問題はそこから先の「超一流」を目指すにはなにが必要かということだと思います。

これまで私は数多くの形成外科手術や、美容外科手術を行ってきましたし、同時に様々な「超一流」のトップドクターの手術も見てきました。そして多くの若手ドクターの指導にもあたってきました。

その中で心から確信していることは、一流と超一流の違いは「技術」ではなく、「心(ハート)」だということです。

超一流の人が共通して持つ「気質」

一流を超えた超一流の人たちが共通して持つ要素として私が感じているものは「職人気質」です。最近ではあまり聞く機会も減ってきたような言葉ですが、技術者にはとても重要な要素だと思います。

ただ何となく目の前の仕事を 「こなしている」 人 と、 周囲の人からすれば 「そんな細かいこといいじゃないの」 とも思えるようなことまでとことんこだわる人。

この2人が出す結果には大きな差が生まれます。もちろん後者のこだわりの人間、つまり職人気質を持ち合わせた技術者の方が当然ながら良い結果を安定して出し続けていきます。

私がこれまで出会った「この人は超一流の美容外科医だ」と感じる先生は共通してやはりこの職人気質を備えていました。

医療の世界でも特に外科系の人間はまさに技術者ですので職人気質は重要で、その有無は手術結果に大きく影響します。やはり、超一流の結果を出すことができるかどうかは、「手先の器用さ」 や 「体力」 ではなく、間違いなくこの 『職人気質』を兼ね備えているかどうかだと私は確信しています。 

ある美容師の何気ない一言

以前に比較的長い間お世話になっていたある美容師の方がいらっしゃいました。その方に初めてお願いした時の仕上がりが満足のいくものだったことから、指名で毎回お願いするようになった人でした。

その彼が会話の中でこのようなことを口にします。

「先生は大変ですよね。手術とかやり直し効かないじゃないですか。僕らの場合は、『あ、今回は少しここスキすぎたかな』と思ってもまたすぐ伸びてきてくれますから」

私の仕事に対して気を使って社交辞令として敬意を表してくれているという部分はもちろんあったかと思いますが、それ以上に彼の本音の部分が見えてしまったインパクトの方が大きく感じたことを憶えています。

髪が伸びてくると言っても数週間以上は少なくともかかります。切られかたによっては1カ月ぐらいかかるかもしれません。その人の人生の中で大切な1カ月を無駄にしてしまったという反省を美容師と言えども持つべきだと思います。

「センスで切っています」

と言えば聞こえはいいですが、安定した高い技術をすべての方に提供し続けるにはセンスや感覚だけでは不可能で、お客様のこれからの数か月を任せていただいているというハートが大切だと思います。

もちろんその後にその美容院に再び行くことはありませんでした。

美容皮膚科も技術力で結果が変わる

美容医療の中でも、特に美容皮膚科の効果は 

「マシンや薬剤の性能+施術者の技術力」 

で決まります。 

いくらマシンや薬剤の性能が優れていたとしても、施術者の技術が優れていなければ最高の効果はもちろん出すことができません。

美容皮膚科も 『施術』 が主体となる診療科です。 一般保険診療の皮膚科のように、お薬を処方して 「お大事にしてください」 というものではなく、 自らの手でマシンや薬剤などを使って治療し、 注射をしたり、時には手術をしたりします。 まさに技術力やこだわる気持ちによって大きく結果が変わってくる科目なのです。

「新しいあのマシンを当ててみたい」とマシンでクリニック選びをすることも一つですが、それ以上に大切なのはそのマシンを誰が、どんな気持ちであつかうのかということにあると思います。