ヨーロッパでは美容医療分野においてすぐれたクリニックや美容ドクター、製剤などを表彰するSafety in Beauty Diamond Awardsという賞があります。コロナ前の2019年は授賞式がロンドンのヒルトンホテルで開催されましたが、美容分野において画期的な製品を表彰するInnovation and Pioneering Award 2019部門でイタリアのProfessional Dietetics社が開発したスネコス(suneKOS)という製剤が最高位のDiamond Awardを受賞しました。
ヨーロッパを中心にスネコスは発売以来人気化し、多くの人が治療を受けました。しかし、そのスネコスの成分は非常に単純で6種類のアミノ酸とヒアルロン酸でしかありません。
なぜこの単純な成分のスネコスがこれほどまでに注目されるようになったのでしょうか。
ヒアルロン酸にはいろいろな種類がありますが、最近のヒアルロン酸は架橋(かきょう)という「より吸収・分解されにくくなるような加工」が施されるようになっています。
スネコスの成分は6種類のアミノ酸とヒアルロン酸ですが、スネコスが採用しているヒアルロン酸は粒子が非常に細かい低分子の架橋していないヒアルロン酸です。
このヒアルロン酸は有効成分が細胞に有効に到達するのを助けたり、細胞の遊走を助ける目的でスネコスに配合されているものですので、残存するものではなく数日以内に体内から消失するような水のような成分です。
スネコスはいわゆるヒアルロン酸注射のようにボリュームを与えて美容効果を狙うというものではありません。架橋されていない低分子のヒアルロン酸を用いていますので、架橋剤によるアレルギーのリスクがなく、注射部位が膨らみ過ぎたり凹凸が出ることも全くありません。また、注射方法からは血管に入り込んで血行障害を起こすという心配もありません。
さらに、6種類のアミノ酸はもともと我々の体の中に存在しているものですので、これもアレルギーの心配はありません。スネコスの成分は非常に安全性の高い組成といえるでしょう。
加齢変化によって肌に見られる変化の中でも真皮層のコラーゲンやエラスチン量の低下は、シワやたるみの大きな要因ともなるため重要です。そのため、このような症状を改善する目的で様々なレーザーや薬剤などのコラーゲン造成を狙った治療が美容皮膚科では行われています。
エラスチンはコラーゲンと比較すると真皮内での割合は少ないため軽視されがちでしたが、anisotropsyやscafoldという言葉で海外では表現されるように方向性を持った反発力、つまり「皮膚の弾力」を作り出す要素として重要視されるようになってきました。
スネコスは肌の弾力を回復するのに大切な「エラスチン」を効率よく増やすことを追求して設計されており、これがこれまでのコラーゲン造成を主に狙った治療とは質の異なる上質な変化をする理由となっています。
スネコスにはグリシン、L-プロリン、L-ロイシン、L-リシン、L-アラニン、L-バリンの6種類のアミノ酸が特許取得のある特別な配分で配合されています。
この特別な組成が我々が本来持っているコラーゲンとエラスチンを生成する働きを効率よく刺激していきます。様々なアミノ酸の組み合わせ、様々な配合の組み合わせが数多くデータどりされ、最も効率よくコラーゲンだけでなくエラスチンを合成する配合を見つけ出しています。
たとえばL-アラニンやL-バリンが存在しない場合にはほとんどエラスチン合成が行われなかったりします。さらに、上の図のように種類が同じでもわずかに配合濃度を変更するだけでエラスチンの合成量が増えたり、減ったりと、最も最適なアミノ酸組成とバランスというものが存在するのです。
このようにスネコスはヒアルロン酸のように入れた物が体内に残り続けて結果を出すわけでなく、入れた特殊な組成のアミノ酸たちが自分自身のコラーゲンとエラスチン造成を強力にサポートしてくれることで効果がでていきます。注入直後よりも注入からしばらくするとさらにその効果を実感しやすいのもそのためです。
実際の治療例を紹介します。動きを止めるボトックスを一切打っていないにもかかわらずこの素晴らしい変化です。ヒアルロン酸のように膨らませていないので、全体的な形も変わっていません。形状も動きも変わっていないのに肌だけが以前のように若返ります。
スネコスの治療は1~2週間に1回のペースで4回連続して行うことが大切です。多少期間は前後しても構いませんが、定期的にコラーゲンとエラスチン造成のシグナルを加えることが高い効果を引き出します。
額のシワはよくボトックスで動きを止めるアプローチも行われる部位ですが、様々な理由からボトックスによる治療ができない人も多く存在する部位でもあります。
スネコスはエラスチン造成を効率よく引き起こしますので、表情を動かすことで作られる表情ジワであっても、肌の弾力が取り戻されることで以前のようにすぐに反発してシワが消えるようになります。つまり、ボトックスのようにシワをつくる動きを止めるのではなく、動いたとしてもすぐに跳ね返すことでシワを消すので、残したい表情も温存されます。
額以外にもどこにでも打つことができますが、目の周りのシワやクマ、口周りの小じわ、毛穴の開き、首のシワなどが人気の部位です。
自然な仕上がりを追求する人にとってはとても嬉しい変化です。
スネコスでしかなしえない魅力的な変化を求めてくださる方が非常に増えて参りました。日本ではまだまだ馴染みのない製剤ですが、多くの方に連日治療を行って参りました。
すると先日、日本国内での使用本数が圧倒的に日本で一番多いとのことで、製造元のイタリアProfessional Dietetics社からexecutive trainer in JAPAN (日本統括指導医)としての活動を依頼されました。イタリアの開発者ともweb meetingを行い、日本国内ではどのようにお客様にご紹介して日本人向けの治療としてアレンジしていくかについてもディスカッションを行いました。
今後もスネコスが日本国内で正しく普及していくお手伝いをして参ります。