私は2019年初めより本格的にダーマペン4の治療を開始し、あらゆる可能性を追求してまいりました。日本人唯一の「ダーマペン4技術指導医」として、その経験をもとに同年5月に日本国内のドクター向けにダーマペン4の講演会を開催しました。
講演会以降、本格的にダーマペン4の国内販売が開始となり、急速に日本全国に普及しました。今ではSNS等では目にしない日はないぐらい、美肌作りの王道と言えるほどの治療となったといえるでしょう。
この普及とともに、日本全国のドクターや看護師の方から、ダーマペン4の施術方法や知識についての多数のご質問を頂くようになりましたが、それ以上に残念ながらSNS上では本来は行うべきではない手法で治療が行われていたり、安全対策が不十分とも思われる動画も頻繁に目にするようになりました。
最近ではかかりつけのクリニックの先生からこのダーマペン4の治療を勧められたという方も多くいらっしゃると思います。治療を受けるにあたり、クリニック選びの材料として気を付けていただきたい項目をお伝えしておきたいと思います。
ダーマペン4の日本国内ローンチ時のドクター向け講演会でもお話しましたが、最も重要なことはHIVウイルスや肝炎ウイルスなどの血液を介した他人からの感染対策(安全性)です。旧式のダーマペン時代には院内感染を疑う事例が実際に報告されています。肌の厚みや血管の密度、針の深さによっては施術中は出血を伴う治療ですので、使用する機材全般は他のお客様の血液や体液で汚染されないような厳重な対策が必要です。その次に重要なことは施術者のニードリング技術です。それらを踏まえ、ダーマペン4の治療を受けるクリニックを選ぶ際には次のことを確認してください。
海外でのHIV院内感染を疑う事例なども考慮し、ダーマペン4への改良の際には感染対策も特に強化されており、針の構造が大きく変わっています。針の形状が十分に感染対策が考慮されているデバイスは世界中でも現状ではダーマペン4しかない状況です。旧式のダーマペンや韓国製の他社類似品などを使用の場合には現状ではダーマペン4より感染対策は劣っているものと考えてよいでしょう。ダーマペン4を新規で取扱いを行うクリニックは急増しており、「感染対策」に関して十分な知識と経験がないスタッフが施術を行う例も増えています。十分に注意すべき点だと思います。
医療機関であれば当たり前のことですが、他人に使用した針ですのでダーマペン4といえども必ず使い捨てにする必要があります。
ダーマペン4本体に装着する針は使い捨てで、その針の構造は本体内部の汚染を完全にシャットアウトする十分な感染対策がなされていると言ってよいでしょう。しかし、本体自体は毎回消毒、滅菌処理を行うことは困難な構造です。写真のように施術中に本体部分に血液や体液、使用している薬液が飛び散り付着することもありますし、施術者がお顔を触ることもありますので本体に使用する本体汚染防止用のカバーの装着は必須事項として講演会でもお話させていただきました。開発元のダーマペンワールド社でも本体感染防止カバー装着を強く推奨しておりました。
しかし、まだまだこのカバーの装着が行われているクリニックは日本国内ではほとんどないようです。大変残念なことです。オーストラリア出張の際に訪れたいくつかのクリニックでの装着率は100%でしたし、海外のSNSでの施術中の装着率はかなり高い印象です。
当院ではこの治療を開始以来、すべての例で必ず感染防止本体カバーを装着して施術を行っております。
ダーマペン4では針の本数が増え、なおかつ高速化しました。針は16本に増加しましたが、その配列はストレートに動かすことで適切なニードリングが行われるように緻密に計算しつくされた配列となっています。従来のような円を描く動きや遅い動きをして施術を行うと、不要な皮膚の損傷を引き起こし、無駄なダウンタイムの長期化を起こすだけでなく、創傷治癒が逆に遅くなり効果も減弱する恐れがあります。かつて良く行われていたこのやり方はダーマペン4では推奨されていません。
海外では無資格のエステティシャンが看護師の指示の下で施術を行っている施設も存在しましたが、日本国内においては院内感染防止の知識をもった医療従事者、しかも医師もしくは看護師が行うことは必須の処置と言えるでしょう。無資格のエステティシャンが行った場合、違法性が高くなります。2mm以上~STモードを用いた特殊なニードリング技術を行う場合には医師による施術が理想です。私の場合には看護師にはこの治療は行わせておらず、すべての例で私が治療を行っております。
ダーマペン4の施術により、皮膚表面から薬剤の入れ込むことも可能です。そのため、症状や目的とする効果によって入れ込む薬剤を適切に選択していくことで大幅に満足度が向上します。各クリニックが独自に入れ込む薬剤を設定するようになっていますが、なかには非常に高価な薬剤もあります。「なぜ自分にはこの薬剤が選択されているのか?」をしっかりと説明を求めましょう。また、薬剤を的確に皮膚内部に入れ込むニードリング技術も施術者によって大きく左右されます。施術者が技術的に信頼のおける人物かどうかも確認できればより安心です。
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