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院長コラム

効率よく肝斑をなくすための注意点2023.10.11

Skinfinity clinic院長の橋本です。

お顔のシミやくすみを治療したくて当院に初めてご来院頂いた方にお話しをお聞きすると、『肝斑(かんぱん)』という診断を以前のクリニックで受けたという方がとても多くなりました。

肝斑は通常の加齢変化や紫外線のダメージの蓄積で見られるようになる『一般的なシミ』とは治療方法や扱い方の注意点が大きく異なるため、シミ治療を効率的に進めるにはしっかりとその有無を正確に診断することがとても大切です。以前に他のクリニックで肝斑と診断を受けたことがあるという方であっても実際に診察をしてみると全く肝斑が見当たらなかったり、逆に肝斑がないと言われて治療を続けてきたにも関わらずしっかりと肝斑がみられている例も多く経験するようになりました。

肝斑治療は一般的なシミの治療とはやや異なり、1回の治療だけで完全になくすことはまだできない症状ではありますが、診断や治療方針を間違うと1か月でよくなるような通常の肝斑であっても何年も治療をつづけても一向に良くならないということも起こりえます。そればかりか、合わない治療を継続することによって肝斑を作り上げたり、悪化させてしまうことすらあります。

長年にわたってシミやくすみの治療をしていると、肝斑にもいろいろなタイプがあり、そのそれぞれで最適な治療方針も異なることも見えてきました。また、同じ人でも肝斑の状況は治療経過によって変化もしてきます。肝斑を効率よく最短距離でなくしていくには、その時その時の状態に最適な治療を的確に選択して常に軌道修正していくことが大切だと思っています。

コース契約は逆に効率が悪くなる

このように肝斑にはいろいろなタイプがあるばかりでなく、同じ人でも時期によって違うタイプに移行することもよくみられる現象です。そのため、初回の診察時の診断の際にレーザートーニングなどの治療を10回コースで契約するようなことは得策だとは考えていません。コース契約をすることによって1回あたりの治療単価を抑える設定をしているクリニックがほとんどですが、自分に合わない治療を「コース消化」と称して流れ作業で治療が行われるリスクは増えてしまうことは否めません。

当院では開院以来一貫してコース契約システムを設定しておりませんが、その都度最適な治療をご提供することで最短距離でご希望の仕上がりまでもっていくことができたがほうが通院回数やコスト面を大きく抑えることができると考えているためです。さらに、コース契約に縛られてしまうと本当に提供したい治療が提供できないというおかしな事態も起こってしまいます。

このように肝斑治療に限らず、美容皮膚科で一般的と言ってもよい程多くのクリニックで行っているコース契約には注意が必要です。

肝斑治療イコール「トーニング」ではない

「肝斑という診断を受け、レーザートーニングをこれまでのクリニックで何十回も行ったけど良くならなかった。」

そんな声も初診の方から良く耳にします。Qスイッチレーザーやピコレーザーを使ったトーニング治療は肝斑治療の重要な位置づけの一つであることは間違いいありませんが、すべての例の肝斑がトーニング治療だけで効率よく良くなるというほど単純なものではありません。

肝斑は単なる皮膚表層の表皮にメラニンが沈着しているというだけではなく、その下の基底膜という部分や真皮という部分の構造変化も大きく肝斑に影響を与えていることもわかっています。単純にメラニンやメラノサイトに反応させる治療だけではよくならない例も意外と多いのです。これらを無視してレーザートーニングやトラネキサム酸内服一辺倒の治療だけで良くしようとしても肝斑治療全体の治療成績は思わしくないのは間違いありません。

様々な肝斑のタイプや状態に合わせた治療が必要

あらゆる状況の肝斑に対して的確に治療を行うことを重視した診療を長年行ってきた結果、肝斑に対して当院が行う治療内容も多種多様になって参りました。そのどれもが無くてはならないものですが、実際の現場ではこれらの治療をその時の症状にあわせて的確に選択し、いち早く肝斑が根本的に治ることを目指した治療を行っています。

  1. 薬剤による治療(トラネキサム酸の外用や内服、システアミンの外用、スネコス注射など)
  2. マシンによる治療(ピコハイ・トーニング、ピコウェイ・トーニング、スペクトラトーニング、シルファーム、532nmDOEピコハイ・フラクショナル、プラズマフェイシャル、M22)
  3. ピーリング治療(リバースピール、マッサージピール、ハイドラフェイシャル、レチノールピール、ミルクピールなど)
  4. スキンケア方法の指導

特に基底膜や異常毛細血管内皮細胞に効率的に修復に働く肝斑専用のマシンであるシルファームは画期的なマシンで、開発当初より使用を続けて参りました。それ以前の肝斑治療の治療効率を大きく向上させたことは間違いない貴重なマシンの一つです。

さらに今年になって日本第一号機を当院が納入した次世代型ピコレーザーの「ピコハイ」を用いたピコハイ・トーニングや、532nmというメラニンに対する働きが非常に強い波長を使用したピコハイ・フラクショナル、そしてその二つを同日同時照射を行うピコハイ・デュアルトーニングは新たな選択肢として肝斑治療を飛躍的に向上させることとなりました。

今後も最も効率の良い肝斑治療を追求して、必要な薬剤やマシンは入念な検証を行ったうえで躊躇なく導入して最高の肝斑治療を提供し続けて参りたいと思います。他院でいまいちよくならなかった、これからシミ治療を本格的に始めたいという方はぜひご相談ください。