こんにちは。Skinfinity clinic院長の橋本です。
近年ではリフトアップ用の糸を使用したタルミ・小顔治療の「スレッドリフト(糸リフト)」を希望されて来院するお客様が非常に多くなってきた印象です。このスレッドリフトは決して新しい治療ではありませんが、以前から一定の需要と根強い人気があることもあり、常に新製品や新技術が開発されてきた分野です。
以前よりもご希望される方が急増している理由は、より綺麗に安定して引き上げることができるようになっている技術的な進歩によるところが大きいでしょう。
私自身も10年以上スレッドリフトを数えきれない数を行ってきましたので、溶けない糸リフトが主流の時代から溶ける糸主流に置き換わり、素材やひっかり部分(コグ)の形状も様々なものを使用してきました。常に新たな製品が出るたびにチェックしておりますが、現状ではこれまでの仕上がりの中でも非常に仕上がりのクオリティを高めることができました。
以前は溶けない糸の方が当然ながら効果が長持ちすると誰もが思っていました。溶けてなくなってしまうのだから、溶ける糸の方が早く効果がなくなって当然だという考え方です。しかし、溶ける糸はその素材も進化し、溶解する期間が長く持続するようになっただけでなく、素材もしなやかになり異物感も大幅になくなりました。
そして私が好んで使用する溶ける素材のPCL(ポリカプロラクトン)製の糸はコラーゲン増生効果も優秀で、最終的にご自身が作り出したコラーゲン線維により理想的な支えが形成されタルミ予防効果が高まっていきます。
材料費は最も高いですが、組織のなじみ易さやコラーゲン増生効果はこの溶ける素材のPCL製が現状でベストだと思っています。異物が一生に渡り残るという最大のデメリットを考えても、現段階でコラーゲン増成効果の乏しい溶けない糸を使用するメリットは皆無と言ってよいでしょう。
同じ溶ける糸の素材のPDOなどはより安価で短期間で溶けるとされていて、PCL製よりはコシが強すぎてコラーゲン増生効果も劣ります。これは仕上がりの異物感と持続性に影響しますので、「素材は何なのか」という点は重要視するべき部分です。
以前よりも糸の種類が豊富になるにつれ、糸の挿入の仕方も様々な工夫がなされるようになってきました。私もこの10数年でいかに自然に長続きするかという部分を重視して、挿入方法を研究し続けてきました。糸の種類だけでなく、これらの挿入方法の違いによっても仕上がりや持続性は大きく変わってきますので、それぞれのクリニックがクリニック名などを治療メニュー名に入れた「〇〇リフト」「〇〇スレッド」などという名前が目立つようになったのもこのような背景があります。
スレッドリフトの治療は、ドクターの技術によって大きく治療結果が変わる治療の代表格です。初級、中級、上級、超一流という技量の程度があったとすると、スレッドリフトの治療は初級のドクターであっても「手を出しやすい」治療です。そのため、大手の美容外科でも多くの若手ドクターに対していち早く教育する傾向があります。
ある程度の経験を積めば、症例写真のビフォーアフターで「かなり変わったな」という変化を捉えることは比較的遠い道のりではありません。しかしスレッドリフトの場合、そこから超一流の領域まで到達するまでが非常に長い道のりになります。実際に会ったとしても自然な仕上がりに見えるのか。持続性や安定性がしっかりとでているのか。凹凸がわかりやすく長期間残っていないかなど、細かなこだわりの世界を突き詰める繊細さが必要となってきます。
症例写真では直後のダイナミックなインパクトのある写真を作りやすく、いわばインスタ映えしやすいのに対して、これらの細かな高いクオリティかどうかの評価はその写真からは読み取ることができません。
糸の本数は仕上がりのクオリティに影響するだけでなく、持続力にも影響します。不必要に多く入れすぎる必要もありませんが、初回はとくに少なすぎるのも仕上がりのクオリティ低下だけでなく、持続期間も短縮してしまう恐れがありますので的確な本数がお勧めされる必要があります。
当院で行うスレッドリフトは、今まで一度もスレッドリフトによる治療を行ったことが無い方の場合、全体を均一に支えてリフトアップするデザインの場合には片側5本ずつが標準的です。ほうれい線周辺のタルミが少なく、フェイスラインのみなど部分的な引き上げを狙う場合には2~3本ずつでスタートするケースもあります。
気になる部分をしっかりと変化させやすいという点と即効性がスレッドリフトの大きな魅力の一つです。
初回に挿入した糸は完全に溶けて無くなっていく素材です。その吸収過程で持続的に糸周辺のコラーゲンを活発に増成させていき、最終的にコラーゲンの支えとしてタルミ予防効果が発揮されます。定期的にスレッドを追加してメンテナンスをすることが多いですが、例えば初回から1年後には少し気になるフェイスラインのみに1~2本ずつ追加などを行います。
こうしていくうちに全体の支えがしっかりと取り戻され、引き上がると同時にたるみにくさもどんどんと補強されていきます。
お顔正面の頬の立体感は加齢と共になくなってきて、口の横がもたつくようになってきます。これは皮膚のタルミだけではなく、脂肪の袋が内部で垂れ下がっている症状も加わっています。私は10年以上前から、この症状に対して積極的にスレッドによる中顔面リフトを行ってきました。
脂肪組織は引っかかりにくく、持続が問題視されますが特殊な方法と糸により安定して綺麗にひきあげ、長期の安定性を実現しています。私オリジナルの治療ですので、これまで出来ないと言われていた変化に驚かれる方が多くいらっしゃいます。
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