2021年7月31日から2日間の日程で京都で行われました、日本美容皮膚科学会での講演を行わせて頂きました。日本統括指導医をさせていただいている、スネコス(suneKOS)という治療について詳しくお話させていただきました。
スネコスは特殊なアミノ酸製剤で、直接肌に注射をすることで肌質の改善を狙う治療です。その開発コンセプトはやや難解ですが、これを正しく理解することでこのスネコスという製剤をうまく使いこなすことができます。
理解するのは我々医師でも簡単ではない難解な部分も多いですが、大切なところですので今回の講演はこの開発コンセプトを重点的にお話させていただきました。
スネコスという製剤は「あらゆる外的刺激に反応して自らを若々しさと健康を保つ能力」を取り戻すことが目的の製剤です。言葉にすると難しいですね。
骨折をして1カ月程ギブス固定をした経験のある方は実感があると思いますが、人間の細胞は的確な「刺激」がないと衰えていきます。ギブスを取った後に驚くほどに筋肉量が減っていることに驚いたことと思います。
宇宙飛行士は無重力状態で長期間宇宙に滞在すると、骨にかかる刺激がなくなりなにもしないでいると骨密度が驚くほどに低下します。
これらの例のように、私たちのからだは、外的な刺激を受けて、それに反応することで健康な状態を維持しているのです。
ところが、老化してくるとその外的な刺激をうまく感知するシステムが鈍ってきます。外的な刺激を細胞がうまくシグナルとして感知するための構造が変化してくるためです。皮膚では真皮の細胞外マトリックス(ECM)という部分がそれにあたり、コラーゲンが減少してシワなどが目立つようになるばかりでなく、外部のあらゆる刺激をコラーゲン増生のシグナルに変える効率が悪くなることでさらに皮膚の老化の悪循環が始まっています。
スネコスは真皮の構造をあらゆる刺激に的確に反応していた以前の若々しい皮膚の構造にいかに近づけるか。これにこだわりぬいて設計された製剤です。そのため、ヒアルロン酸やボトックス、レーザー治療などのこれまでの美容皮膚科での治療では感じ得なかった、究極の自然な肌の若々しさを取り戻すことが可能です。
スネコスは的確なコラーゲン増生刺激と同日に行うことで相乗効果が得られます。そのため、当院ではダーマペン4と一緒に行うことも多いですし、トーニングやピコトーニング、HIFUや高周波系の治療、マッサージピールなどと併用することでお互いの効果を高め合うことになります。
なぜそのようになるのかは講演でも詳しくお話させて頂きました。ただ単にこれまでの美容皮膚科系の治療だけで終わらせるよりも、仕上げとしてスネコスの注入を一緒に行うことでより理想的なコラーゲンやエラスチン造成を狙うことができ、非常に魅力的な肌質になっていきます。
スネコスの良い点は一切なにも異物が残ることが無いという点。6種類のアミノ酸が絶妙なバランスで配合されている製剤ですので、「肌の栄養剤」のようなもの。結果としてスネコスでしか作り得ない理想的な肌質となるため、これまで様々な治療を経験してきた美容医療に慣れた方ほど、この製剤のすごさに驚いていらっしゃいます。