こんにちは。Skinfinity Clinic院長の橋本です。
今回はご相談のとても多い、頬の毛穴(特に鼻の横の部分)に関するお悩みについてお話します。
頬の中でも特に鼻の脇の部分は、耳の近くのサイドの方よりも目立つ毛穴に悩まされている人がとても多い部位です。この部位の毛穴他の部位よりも目立ちやすい要因がいくつか重なっている場所なので、その他の部位よりも毛穴は目立ちやすくなると私は考えています。
一つはこの部位の皮膚の質感の違いです。この部位の皮膚の質感は耳の前やフェイスライン、首などの皮膚の質感とは異なりやや厚みを感じます。鼻の皮膚も厚みのある部位で毛穴が目立ちやすい部位ですが、鼻の脇の部分もこれに近い質感の方も多く、毛穴の出口付近の角質による盛り上がりが目立ちやすくなりがちです。
さらに、この部位にはコメカミから目の下にかけての皮膚がタルミによって押し寄せてくる部分であることも毛穴が目立ちやすくなる要因です。皮膚をギュッと寄せ集めてみると毛穴は目立ちますので、たるみが進行して皮膚が寄せ集まっている部位にも毛穴の目立ちは顕著になります。いわゆる「たるみ毛穴」と呼ばれる現象です。
それに加え、頬正面のエリアは毛穴にまぎれて、思春期のニキビが鋭いクレーター(アイスピック状)となって混在しているケースもあります。
このように、鼻の脇の部分というエリアには毛穴が目立つ要因がいくつも重なっている部位です。原因が違いますので、その他の部位でよく行われる毛穴対策だけでは改善が乏しい部位でもあります。
たるみ毛穴に対しては「たるみ治療」が有効ですので、そのたるみの原因に応じて最適なものを選択して治療を行います。詳しくはこちらのコラムを参照ください。ご自身の症状の中でタルミ毛穴の要素がどのぐらいを占めているのかは、目の下の外側のホホ骨あたりの皮膚を斜め外側に引っ張ってみてどの程度改善するかである程度予測は可能です。たるみ治療は自宅のケアでできることはありませんので、この場合にはまずご相談ください。
もっと厄介なのはアイスピック状のクレーターが目立つ毛穴に紛れ込んでいるケースですが、これも意外に多い症状です。クレーター治療は皮膚の深い部分まで強めに再生をさせるしっかり目の治療が必要ですので、このタイプの場合にはレチノール系成分を主成分とする外用薬やピーリング治療、軽めのレーザー治療では全く効果はありません。
当院では重度のクレーターに対しても絶大な効果を発揮することが多い、最新型のピコフラクショナルレーザーのピコハイVMLAフラクショナル治療を積極的に行って参りました。こちらの詳細に関しましてはこのコラムを参照ください。
頬の毛穴が気になる方の中で、アイスピック状のするどいクレーターが紛れ込んでいるようなケースでももちろんこのピコハイVMLAフラクショナルは大変有効です。問題点は直後から顔の赤みが生じる強めのレーザー治療で、完全に引くまでは5日~7日ほど要するという部分ですが、従来のフラクショナルレーザーよりも色素沈着や赤みが長期間残存するというリスクはかなり低い安全性と高い効果が魅力です。
実際の例をモニター様の経過写真で見てみましょう。
左が治療前の状態です。表面の凹凸がわかりやすくなる特殊なライト下での撮影です。頬の中でも鼻の脇やほうれい線の上の部分の毛穴が目立っています。アイスピック状のクレーターも紛れ込んでいるタイプですので、軽めの治療では効果を出すのが難しい症状です。ピコハイVMLAフラクショナルを7月8日に1回目の照射を行い、9月5日に2回目の照射を行いました。照射は私が行っています。
右の写真はその2回照射後から2か月ほど経過した11月12日のお写真です。2か月以上経過して症状はしっかりと定着した変化となっているのがわかります。にきびの炎症後の長引く赤みや色素沈着が落ち着くのもこのレーザー治療の特徴でもあります。2回の治療でここまで変化しておりますので、もう少し続けてみたいところです。
鼻の毛穴は頑固ですが改善傾向にはありますが、この例ではもう少し回数を重ねる必要がありそうです。
自然光ライト下での撮影です。毛穴が目立ちにくくなっていて、クレーターも改善しているのもわかります。全体的に色素沈着やニキビの炎症も落ち着いています。
効果という面では非常に魅力的なピコハイVMLAフラクショナルですが、やはりダウンタイムがネックとなる方が多くいらっしゃいます。鼻や鼻の脇の毛穴が気になる方であれば、治療後のダウンタイムをマスクをして過ごすことで上手に隠してらっしゃるかたも多く、マスク生活が許される状況の方には比較的受けて頂きやすい部位でもあります。
ピコハイVMLAフラクショナルに関してはこの毛穴対策に限らず、照射範囲や赤みを当日または数日以内で引かせたい部位などを詳細にご相談の上でマーキングの上で照射を行います。実際に付ける予定のマスクを着けて頂いて厳密にマーキングすることも行っておりますので、照射時にお気軽にご相談ください。
鼻の横の部分の毛穴は気にしている方が非常に多く、治療法を正確に選択しないと満足いく結果がなかなか得られません。ピーリング治療では一時的な症状軽減に働くことはあっても長期的に定着した変化にまで持っていくことは困難なケースも多い部位です。
自分がどういった要因で毛穴が目立つようになっているのかを正確に見極めて、必要な治療を行うことが大切です。