スキンフィニティクリニックの門沙央理です。
当院で人気のウルトラフォーマーMPTは、たるみ治療として広く使用されているデバイスです。
しかし同じ機械を使用していても、どこへ、どのように照射するかによって仕上がりは大きく変わります。
例えば、頬こけが気になる方では、照射方法によってコケ感が目立つこともあれば、目立たなく見せることも可能です。
そのため、お顔の状態に応じた照射デザインが重要になります。
今回は、その理由となる顔面脂肪の加齢変化について解説します。
顔のタルミは、皮膚・支持組織・脂肪の変化が複雑に関与して生じます。
今回は、その中でもHIFUの照射デザインを考えるうえで重要な顔面脂肪の加齢変化について解説します。
以前は、加齢による頬こけは主に脂肪量の減少によるものと考えられていました。しかし近年の研究により、顔面の老化はより複雑であることがわかっています。
顔の脂肪、と聞くと、一つの塊をイメージされる方も多いかもしれませんが、実際には顔の脂肪は複数の区画に分かれており
に大きく分類されます。

それぞれ役割が異なり、加齢による変化も異なります。
深層脂肪は頬の高さやふくらみを支える土台のような役割があります。一方、浅層脂肪は皮膚とともに存在し、顔の輪郭形成に関与しています。
加齢に伴い、深層脂肪は萎縮しやすく、浅層脂肪は部位によって異なる変化を示します。
例えば、頬前面の浅層脂肪(b, c, d)は支持組織のゆるみにより下垂しやすい一方、頬外側の浅層脂肪(e)は加齢とともに萎縮することが報告されています。

その結果、
が同時に生じます。
つまり加齢顔貌は単純なたるみではなく
脂肪が減る部位と、脂肪が下がる部位が混在した状態
と考えることができます。
脂肪そのものが勝手に下がるわけではありません。
顔には脂肪を支えている支持組織(線維性隔壁、SMAS、支持靭帯など)が存在しています。線維性隔壁は皮膚とSMASをつなぎ、脂肪区画を支える役割を担っています。

加齢に伴い、これらの支持組織がゆるむことで、脂肪区画の位置が変化し、頬やフェイスラインのたるみが目立つようになります。
ハイフは脂肪そのものを引き上げる治療ではありません。
超音波による熱作用を利用して、脂肪を支えている支持組織へアプローチする治療です。

支持組織が収縮することで、下垂した脂肪を支え直し、リフトアップ効果につながります。
これまでお話してきた通り、単純に引き締めるだけではなく、その方の脂肪の配置やボリュームに応じて照射方法を調整することが重要です。
頬コケが気になる方では、頬コケ部分への照射を避けながら、その下方に位置する下垂した脂肪やフェイスラインへアプローチすることで、こけ感を目立たせないように照射します。
また、頬中央部の下垂が目立つ方では、チークトップが高い位置にくるよう照射デザインを工夫しています。

このように、単純に全体を引き締めるのではなく、頬のボリュームバランスや脂肪の下垂パターンに配慮しながら照射を行っています。
◆ 痛みを抑える工夫も重要
ウルトラフォーマーMPTは従来のハイフと比較して痛みが少ないデバイスですが、それでも照射部位によっては痛みを感じることがあります。
一方で、十分な効果を得るためには、適切な深度・エネルギーで照射することも重要であり、単純に出力を下げればよいというものではありません。
当院では笑気麻酔や冷却装置を使用するほか、スタッフ2名を配置した3名体制で、できる限り快適に治療を受けていただけるよう工夫しております。

ウルトラフォーマーMPTは、たるみ治療が初めての方にも比較的受けていただきやすく、たるみ治療の導入としても、継続的なメンテナンスとしても優れた選択肢です。
たるみやフェイスラインが気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。
参考文献
・Fundarò S, Mauro G, Di Blasio A, et al. Anatomy and aging of cheek fat compartments. Med Dent Res. 2018;1(3):1-7.
・Rohrich RJ, Pessa JE. The fat compartments of the face: anatomy and clinical implications for cosmetic surgery. Plast Reconstr Surg. 2007;119(7):2219-2227.