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院長コラム

流行中の治療が良いものとは限らない2026.2.11

こんにちは。Skinfinity Clinic院長の橋本です。

美容医療業界は新しい注射製剤や化粧品、レーザー機器などが頻繁に登場します。 私が美容医療の診療に携わるようになって15年以上が経ちましたが、新たな治療が生まれては消えという繰り返しでした。

まだ日本未上陸の治療も含めて、様々な新治療を海外製造メーカーの担当者の方や、輸入代理店の方から毎月のようにご紹介いただきますが、当院で正式メニューとして採用するものはその一割もありません。それは、「新治療」として日本に紹介されるものの多くが、治療効果が臨床研究によって実証されていなかったり、安全性が確立されていないことに理由があります。

それどころか、すでに海外では副作用の問題が明るみになって使用されなくなっているような製剤も、「新治療」として海外で大人気の画期的な製剤として日本国内で紹介されるようなケースも珍しいことではありません。

新しいものが良いものとは限らない

流行中の治療が良い者とは限りません。これは私がこの業界に身を置く中で確信していることです。美容医療はこの10年でめざましい発展をとげ、クリニックも乱立して多くの医療関係者がこの業界に参入して市場が急拡大しました。同時にSNS等を利用した広告合戦もさかんになり、「流行りの治療」を定期的に作ることもマーケティング戦略の一つとなったように思います。

この結果、「新治療」の情報をいち早く入手して、どこよりも早く広告として打ち集客に結び付けたいというクリニックが増えてしまいました。宣伝材料となる新たな情報に飢えている状況です。もちろん安全性や効果の面でしっかりとエビデンスのある良い治療であれば問題はありませんが、安全性の問題のある製剤まで「画期的な新治療」として紹介されやすい土壌が形成されていることに危機感を感じます。

ここ1年を見ても、「新治療」として日本で流行した製剤の中で、すでに海外で大きな健康被害の問題が明るみになっていて当院では採用しなかったものはいくつかあります。新しい治療が良いものとは限らないのです。

「言われたような効果がなかった」ならまだよいですが、特に日本は公的な認証もない薬剤が医師の判断で使用できてしまう国。取り返しのつかない健康被害などに遭わないように気を付けなければなりません。

当院の「新治療」採用基準

当院では新たな治療を正式に治療メニューとして採用する場合に重視するのは、多くの臨床実績と研究論文(エビデンス)です。すでに海外で多くの実績をもつ人物がいるのであれば直接コンタクトをとり、多くの臨床経験から学ばせて頂いたりエビデンス論文を調査します。

期待する効果が本当に得られるのかという点ももちろん重要ですが、長期的な安全性が確立していると言えるのかどうかは最重要ポイントです。海外の臨床経験やエビデンス資料が乏しく、すでに日本国内に流通しているものに関しては、理論上長期経過をみる必要があると判断される場合には1~2年は採用を控えて動向を注視しています。

その様子見の段階で副作用等の悪い評価が積み重なって、すぐに日本市場から消滅した治療もいくつもあります。

当院はお客様に対して「試験的に使ってみる」ということは絶対にありません。効果や安全性に対して確信を持てるエビデンスが得られるまで、治療メニュー化することはありません。

「他のクリニックで新しい〇〇という治療を受けたが、こちらではまだ開始していないのか」そんなお声を時折頂きますが、我々は新しいものが良いとは限らないという姿勢ですので、新しいものが好きなお客様からすれば「流行から遅れている」と感じられる場合もあるかもしれません。

それでも我々は大切なお客様をお守りするために、長期的な安全性が確認できないものは治療メニューとして提供は致しません。たとえ一回の治療が直後に素晴らしい結果を招く治療だったとしても、長期的に不具合が出るようなものは当院の治療メニューとして成立しません。

韓国出張レポート

新年早々の1月末、私は韓国に出張してきました。私が新たな治療として採用を検討している製剤の開発者のもとを訪れ、ディスカッションを行うことが主な目的でした。その製剤をすでに韓国で4年ほど使用しているというクリニックにもお邪魔して、安全性を確認するとともにより高い効果を発揮するための重要な考え方や技術を学ぶことができ、大変有意義な滞在となりました。

それに加え、日本でもここ数年流行しているある製剤の長期的な不具合をそのクリニックでは数多く見ることができました。当院では安全上の懸念から採用していない製剤ですが、やはりいち早く多くの例を扱ってきた韓国では水面下で大きな問題となっていることが確認できました。

当院では今後も、安全性最重視の姿勢を崩さず治療メニューの策定を行ってまいります。それが当院を訪れてくださる皆様との約束の一つだからです。