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院長コラム

眉下切開による上まぶたのタルミ治療2023.3.21

こんにちは。Skinfinity Clinic院長の橋本です。

加齢によるお顔の変化の中で、多くの人が実感するの『上まぶたのタルミ』のお話をしたいと思います。

上まぶたのタルミはほぼすべての人が実感するようになる

加齢によって皮膚は徐々に伸び、余ってきます。特にまぶたの皮膚は真皮が非常に薄いため、早めにその皮膚の余りをタルミとして実感することも多い部位です。上まぶたに余分な皮膚が増えてくると、そのすべてが重力により目の方に垂れ下がり、重みを感じるとともに見た目でも二重のラインが狭くなってくる変化や、目じり側に垂れ下がるような変化を起こすようになります。

骨格や眼球周辺の構造的に、我々アジア人は欧米の人と比べて瞼のタルミが出た場合に目元への変化の影響が大きい傾向があります。上の写真のように目元にたるみがかぶるようになると非常に目の重みを感じるため、以前のように前をスッキリと見ることができなくなります。

タルミが増えるとともに眉毛が上がってくる

まぶたのタルミが進行して目元への重みが加わるようになると、「以前のように前をスッキリと見たい」という思いが無意識に働いて、眉毛を上げる癖が増えるようになってきます。タルミが気になる方はご自身で眉毛のあたりを押さえて上に引き上げてみると、目がとても軽く感じて開きやすくなって見た目も以前のようにスッキリと見えるのがわかると思います。

タルミを感じなかった時のように前をスッキリとみるために、無意識に額の筋肉(前頭筋)を使って眉毛を吊り上げながら前をみるようになり始めます。はじめのうちは、「しっかりとものを見たい」というタイミングだけそのような動きをするようになりますが、タルミが重度になりはじめると常に眉毛の位置が以前よりも上に引き上げられた状態を保たないと日常生活が難しいぐらいに目元の重みを感じるようになってきます。そして、眉毛と目の間の距離はどんどんと離れていくようになります。

このように、まぶたのタルミは目の見た目の変化だけでなく、眉毛の位置が上に上がりやすくなることによってさまざまな悪影響を及ぼすようになってきます。

眉毛が上がり始めることによる弊害

額の筋肉を使って眉毛が上がりやすくなることによる大きな弊害は大きく分けて次の3点です。

  1. 額の横ジワが目立ってくる
  2. 疲れや頭痛の原因となる
  3. 目と眉の距離が間延びしてくる

額の筋肉を使うことで眉毛を引き上げていますので、前をしっかりと見ようとするたびにこの筋肉を頻繁に使うようになることで額に横ジワが刻まれやすくなってきます。単なる癖で動いているものであれば「ボトックス」の注射を打つことで動きを和らげてシワを薄くすることができますが、目元のタルミを解消するために働いている額の動きは強制的に止めることができません。このようなケースにボトックスを打ってしまうと非常に目元が重くなったり、見た目でもタルミがかぶさった目元の印象となってしいまいます。

また、瞼の筋肉だけでなく額の筋肉も使いながら前を向くようになることで、常に額が緊張した状態になってしまいます。すると、「夕方になると目を開けているのがつらい」という症状や、「頭痛や肩こりがひどい」というような症状を自覚する人も多くなります。

そして、眉が本来の位置から上にあがってくることで、目と眉の間の距離が以前よりも離れてきますので目元の印象も大きく変化してきます。

上まぶたのタルミに対する治療

それではこのような上まぶたのタルミに対して、どのような治療があるのでしょうか。まず大前提として瞼の皮膚にはハイフや高周波、近赤外線などの引き締めを狙ったマシンがエネルギーのターゲットとする真皮が非常に少ないという解剖学的な要素があります。そのためお顔全体では強く引き締め効果が得られるようなマシンであったとしても、瞼への効果は限定的となるケースが多くありますし、そもそも瞼は避けて照射しなければならないマシンも多く存在します。

当院では手術的な治療も考慮できる人に関しては「眉下切開による上まぶたのリフトアップ」を最もお勧めしておりますが、手術的な治療を選択肢に入れることができない方に関してはウルトラフォーマーMPTの瞼照射やプラズマリフト、EndyMEDのiFineといったマシンを症状や肌質等を考慮して最適と思われる治療をお勧めすることが多くなります。

マシンによる症状軽減の治療も手術に抵抗がある方にとっては、開きやすさや多少のスッキリ感を見た目でも出すことができるので人気です。しかしながら、最もタルミ治療として絶大な効果を発揮するのはやはり手術的に余分な皮膚を取り除いてしまう「眉下切開」になります。

どの位置で皮膚を切り取るのがベストか

上まぶたの余分な皮膚を取り除くために切開する可能性がある部位は「二重(ふたえ)のライン上での切開」と「眉毛の部分での切開」の2通りがあります。従来は前者が良く行われていましたが、二重のライン付近で皮膚をある程度の幅で取り去ってしまうと全く質感の変化したまつ毛に近い非常に薄い皮膚とやや厚みの出始めた眉毛に近い部分の皮膚が目元で縫い合わされることになるため、不自然な印象になりがちになります。

切開法の二重まぶた手術や、眼瞼下垂症の眼瞼挙筋を操作しなければならない手術等の場合には、どうしても二重のライン上を切開して手術を行う必要がありますが、この部位であまり皮膚を取りすぎると不自然な印象がではじめます。基本的にタルミ取りのみであれば二重ライン上を切開せずに眉毛の部分でリフトアップする「眉下切開」の方が以前の目元を正確に再現できるためより自然な印象になります。

また、二重のライン上切開よりも眉下切開の方がより外側まで切開線を目立ちにくく作成することができるため、目じり側に強くかぶさるタルミをより完全に取り去ることができるという大きなメリットもあります。

まさに眉下切開は、上まぶたの究極のアンチエイジング手術、若返り手術ということになります。

眉下切開の手術例①(若年例)

この写真は当院の看護師(20代後半)に私が行った眉下切開によるタルミ取り手術の経過です。上の写真が手術前で下側が手術後です。手術前は本来持っていた二重まぶたのラインが皮膚のタルミによって狭くみせられてしまい、奥二重気味になってしまっています。まつ毛の根元に皮膚が覆いかぶさるようになり、マスカラが皮膚につきやすいといった症状も見られがちになり、目元にスッキリ感が乏しい印象となります。

このように20代後半であっても「タルミ」が認められるケースは確かに存在します。生まれつきのものであるケースもありますし、体重の増減や光老化等により加齢による変化が早めに出ているケースもあります。いずれにしてもこのようなケースでは新たな幅広の二重ラインを作り直すのではなく、余分な皮膚をしっかりと取り除く方がより自然な仕上がりとなります。

手術後の写真は手術後10日目の状態で、抜糸後の傷の赤みはメイクをすればほとんどカバーできる状況となっています。かなりスッキリとした印象で、本来持っていた綺麗な二重まぶたのラインが隠されず、しっかりとみられるようになっています。もちろん手術後10日目ですので、まだむくみ感はこれでも残っている状態です。

抜糸後の傷の赤みの引き具合は個人差が強いですが、早い人では1か月ほどでかなり見分けがつかない状態となる人もいらっしゃいます。長い方では半年ぐらいかけて徐々に赤みが引いていきますが、その間も眉を書いて隠される位置に切開線を作成しています。

眉下切開の手術例②

この例はスタッフのお母様を私が手術させていただいた際の経過写真です。この例はタルミは非常に強い方ですが、目頭側のタルミがほとんどないという特殊なケースです。下側は20日目の写真ですので、まだ傷の赤みおよび色素沈着により茶色っぽい線がみられています。目じり側のタルミが重度なため、通常の切開線よりもかなり外側まで長めになっていますが、眉頭への切込みはあまりありません。

このようにタルミの程度や形状、希望の仕上がりの二重幅等によって切開線の位置や形状も全く変わってきます。同じ人であっても左右でも全く同じタルミ方はしておりませんので、厳密に左右をデザインするとたいていの場合には左右のデザインもおのずと変わってきます。

傷は赤みや色素沈着が1か月~半年ほどで落ち着くとかなり認識しにくい状態に落ち着いていきます。現実に傷がゼロになっているわけではありませんが、かなり近くでノーメイクで見られても気づかれないことが多くなります。

手術後の経過

手術は局所麻酔で行い、両側で40分ほどで終了します。手術後は眉毛の部分に縫った糸が非常に細かくついた状態になります。抜糸は7日後前後に設定して行うことが多いですが最短でも5日後になります。シャワー入浴は当日から可能ですが、眉の部分を書いていただいてカモフラージュするようなメイクに関しては抜糸後の翌日以降から通常は可能になります。

手術後からお勧めしているのは、ややフチの厚めのメガネです。意外とかけていると糸がついている抜糸前の段階でもかなり目立ちにくくなる印象です。特にメイクが限定される男性の場合には必須アイテムです。抜糸後しばらくしても何かと重宝しますので、手術の予定が決定した場合には早めの準備をお勧めしております。