Skinfinity Clinic院長の橋本です。
20歳以上の85%の女性に存在すると言われているセルライト。加齢変化とともにお尻や太ももの裏側を中心に凹凸が目立つようになります。これまではこのセルライトという症状に対して、様々な治療が世界中のクリニックで行われてきました。
脂肪溶解注射、脂肪吸引、高周波、電磁波、衝撃波、サブシージョン、コラゲナーゼ注入・・・
これらの多くは邪魔者であるセルライトを「破壊する」というコンセプトの治療が主なものでした。また、エステサロンで「セルライト潰し」などと称した治療をコースで行ったなどという方も多くいらっしゃるようです。
その多くがはっきりとした効果がなかなか実感できないという悩ましい症状でした。
そもそもセルライトとは何なのでしょうか。セルライトの部位では一体何が起こっていて、正常な脂肪層とは何が違うのでしょうか。もちろん脂肪細胞が膨張して大きくなり、脂肪層の中の線維性の結合組織が発達・硬化しているのは確かです。
邪魔者の脂肪をどうやって破壊するか、硬くなった線維をどのように断ち切っていくのか。そのような発想で様々な治療が考案されてきたこれまでの流れは当然のものと言えます。しかしながら思うように結果が出る治療が少ない現状を考えると、これまでの考え方を一掃し、全く新たなコンセプトで治療法を考える必要性がでていました。
セルライト部位の脂肪は膨張しています。この状態が長期化、慢性化するとセルライト部位局所では血流の乏しい低酸素状態が持続しているとされています。すると脂肪細胞周辺での慢性的な炎症を受けた酸性化(アシドーシス)に陥り、脂肪細胞は本来の機能を失い始めます。
脂肪細胞はただ単に脂肪をため込んでいるだけではなく、脂肪層の細胞外に様々なホルモン(サイトカイン)を分泌して正常な脂肪層を保っていますが血管新生や血管拡張の役割を担うサイトカインの分泌機能が損なわれると更なる低酸素状態、アシドーシス化、炎症による線維化という悪循環がはじまってしまいます。
このように、セルライト部位での脂肪細胞は細胞周辺の環境が悪化したことにより、本来の機能を果たせない状況に陥っている状態であるといえます。この苦しんでいる脂肪細胞を「助ける」という新たな発想からこれまでとは異なるコンセプトのセルライト治療製剤が開発されました
苦しんでいる脂肪細胞を破壊するのではなく、その細胞外の環境を改善することで機能を取り戻すことを目指す。そんな新たなコンセプトのセルライト治療製剤がスネコスセルです。
慢性的な炎症がきっかけの酸性環境(アシドーシス)を炭酸塩・重炭酸塩で解消しつつ、異常に硬く線維化した細胞外環境(細胞外マトリックス)を正常な状態へと導いていくことを目的としています。
このアプローチがこれまでの治療と異なる点は、「セルライトが悪化しやすい悪循環を解消する」という部分を目指しているところにあります。脂肪細胞が正常な機能を取り戻し、細胞外マトリックスの組成が正常化すると、健康的な脂肪層に戻ろうとする本来の働きが取り戻される可能性があると考えられています。
セルライトが悪化しやすい悪循環を断ち切ることで、セルライトが自然に治りやすい状況が作ることができるというわけです。
セルライト部位にスネコスセルを注射してみると、たった1回の注射でも「硬かったセルライトの部分が軟らかくなった」という感想をおっしゃる方がいます。セルライトの悪化要因として大きな役割を果たしている、脂肪層への血流不足とそれによる慢性炎症が解消されている可能性がある変化で、これがセルライトが治りやすくなるきっかけを作ることができたサインではないかと考えています。
局所の血液循環の悪さを改善できないことには、セルライトの悪化傾向は止められないのではないかと思っています。
Japan medical beayty expo2022にて講演
スネコスセルは昨年よりヨーロッパでは発売開始されておりますが、日本国内ではまだ未発売製品です。スネコス日本統括指導医をさせていただいている関係で、当院では昨年より使用し評価を行ってまいりました。
その結果も踏まえて、2022年6月12日に開催されたJMBE2022にて「スネコスセル」についての講演を行わせていただきました。
これまでのセルライト治療に大きな新しい風を吹き込んだことは間違いない期待の製剤。当院ではすでに正式メニューとして治療を提供中です。
3週間に1回のペースで3回を1クールとして治療を行ってまいります。
臀部~太もも裏側両サイド 10CC ¥50,000+税